企業と顧客のコミュニケーションは多様化してきており、リアルタイム性の高いチャットでのコミュニケーションは特に予約受け付けや問い合わせ対応においてよく使われるようになってきました。この記事では、LINE公式アカウントのチャット機能の概要と個人アカウントの違いや他チャットツールとの違いについてまとめています。LINE公式アカウントのチャット機能とは?LINE公式アカウントで利用できる機能は、正式には「LINEチャット」と呼ばれていて、公式アカウントの担当者と顧客間で1対1でのトークを可能にしている機能です。(管理画面イメージ)利用方法は大きくは個人アカウントと変わりませんが下記のような特徴があります。LINE公式アカウントのチャット機能の特徴ダイレクトメッセージング:LINE公式アカウントを通じて顧客との1対1のダイレクトメッセージングが可能です。個人的かつ直接的なコミュニケーションを実現しています。ユーザー側から見た画面は、通常の友だちとのトークとほとんど変わりありません。リッチメディア対応:テキストのやり取りに加え、画像、動画、スタンプなどリッチメディアを使用して視覚的に魅力的なコミュニケーションが可能です。商品やロケーション、人物などカードタイプになったメッセージを送信することもできます。通話リクエスト ( LINEコール )ユーザーから企業への電話をLINEの画面から行えるようになる機能です。PC/スマホでの音声会話・ビデオ通話が無料で利用可能です。有料プランのみですが、企業の特定の電話番号へ転送する事もできます。ステータスバーの表示LINE公式アカウントのトークルーム上部に応答状況などの文言を記載できます。履歴管理とメモ:顧客とのチャット履歴を保存し、効率的なフォローアップが可能です。顧客の過去の問い合わせや反応を参照し、パーソナライズされた対応を実施できたり、それぞれのチャットにあるノートの機能でメモを残す事ができます。※テキストメッセージおよび画像やビデオなどのコンテンツメッセージ、 ファイルの保存期はすべて1年間です。友だちにタグ付け:チャットしたユーザーに任意のタグを付与する事ができます。例えば「予約済み」「来店頻度高い」などといったタグをつけておくなどします。この設定をしておくと、絞り込み配信で同じタグのユーザー一斉に送信する事ができるようになります。自動応答機能:特定のキーワードや条件に基づいて自動応答を設定できます。顧客からの一般的な問い合わせに対して迅速に対応が可能になります。カスタマイズ可能なチャットフロー:手動で対応する内容、自動で対応する内容など、予め設定したチャットフローに基づいて、顧客とのコミュニケーションの最適化を図ることができます。APIを利用した開発を行えば、AIを活用したチャットボットで自動応答よりも精度の高い応答を実現する事もできます。以前は、高度な利用を行う際に必要なwebhoookとチャット機能は併用できませんでいたが、2022年11月30日より併用可能となっています。( 公式のアナウンスはこちら )分析ツールとの併用:チャットの利用状況や顧客からのメッセージはトークルームごとにまとめてCSV形式でダウンロードが可能となっています。( 最大10万件 )テキストマイニングなどの外部ツールで分析すると、ビジネスにおける最重要課題を見つける手助けになる場合があります。LINE公式アカウントのチャットと個人アカウントのチャットの違い目的と機能性:LINE公式アカウントのチャットは、主にビジネスと顧客間のコミュニケーションを目的として設計されています。これに対し、個人アカウントのチャットは友人や家族との個人的なコミュニケーション向けです。公式アカウントは自動応答やチャットボットの統合、カスタマイズ可能なチャットフローなど、ビジネス向けの高度な機能が提供されています。ユーザーインターフェース:公式アカウントのチャットインターフェースは、顧客対応に特化しており、ビジネスが情報提供やサポートを行いやすい設計になっています。個人アカウントのチャットは、日常的なやり取りに最適化されたシンプルなインターフェースを持っています。(スマホの管理画面イメージ)※個人向けのLINEアプリとは別にLINE公式アカウントのアプリをインストールして利用します。分析と追跡:LINE公式アカウントは、チャットの利用状況や顧客の反応を分析するためのツールが提供されており、ビジネスの判断に利用できるように設計されています。個人アカウントでは、このような分析機能は提供されていません。カスタマイズと柔軟性:公式アカウントのチャットは、ビジネスのニーズに応じて高度にカスタマイズが可能です。一方、個人アカウントのチャットはカスタマイズの範囲が限られています。友だち数が増えた場合の運用のコツチャットはユーザー側が気軽に利用できる反面、運用側の負担の大きくなる傾向になります。友だち数が少ない場合は少ない担当者で対応が可能ですが、友だち数が増えていくにあたって管理コストが肥大していくので、下記のような施策を検討する必要がでてきます。自動応答の設定強化チャットボットの開発絞り込み配信によるコミュニケーションに切り替えるFAQの自動応答コンテンツや予約フォームを準備したりして、自動化できるところはなるべく自動化の設定を入れていく事でチャットの比率を下げていく事ができるようになります。また、チャットでのコミュニケーションから絞り込みかつそのグループに適した形でのメッセージ配信に切り替えて、なるべくチャットでのコミュニケーションが減るようなフローに見直すなどの方法があります。チャットの導入は慎重にユーザー体験的には、チャットは便利ですが将来的にどのくらい友だち数が増えそうか、人員的に問題がないかを事前に考えて導入しないと、ユーザー体験が悪化してしまうケースも考えられるので慎重に導入しましょう。絞り込み配信を使ったコミュニケーションLINE公式アカウントでは、メッセージやリッチメニューのクリックや性別・住んでいる地域などを利用した絞り込み配信が無料で利用可能となっています。下記記事で詳しく解説していますので、こちらの記事も参考にしていただければと思います。→ LINE公式アカウントのセグメント配信とは?メリット・注意点含め紹介