ブラックフライデーも終わり、今年も年末年始商戦が本格化してきました。ECサイトの売上向上のためにLINE公式アカウントを始めてみたけれど、なかなか目に見える成果が上がらなかったり、運用をどう改善してPDCAを回していくべきなのか分からない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、「ECサイトの集客と売上向上」のためのLINE公式アカウント活用法をまとめてみました。【その1】登録するメリットを提示し、友だちを増やすまずは、友だちの数を少しずつ増やすことが優先事項です。皆さんのECサイトやSNS、メールマガジンに上記画像にあるような「友だち追加ボタン」「友だち募集中バナー」「友だち追加QRコードやリンクURL」を目立つところに設置しましょう。その際、単に「友だち募集中」のバナーを貼るだけでは他のサイトと変わらず、スルーされてしまいます。そのため、「友だち募集中」バナーと一緒に、「友達になると得られるメリット」をテキストで追加するとより効果的です。よく見かけるのは、クーポンの活用です。例えば、くら寿司(左)やアツギオンラインショップ(右)では、下記の表現で友だち募集ページを用意しています。より具体的なメリットを提示した方が、「友だち追加しよう」という気持ちになることがお分かりいただけると思います。LINE公式アカウントの友だち限定のクーポンがもらえるなら、友だち登録するか、という人は少なくないでしょう。自社のホームページやSNS、メルマガだけでは友だち数の伸びに限界を感じる場合は、「友だち追加広告(LINE広告)」を使ってみるのも良いでしょう。LINE公式アカウントの管理画面から簡単に出稿でき、LINE NEWSやLINEアプリのトーク画面に友だち追加を促す広告を表示することができます(※下記画像参照)。LINE広告で友だち数が7倍になったという「熊本ラーメン 黒亭」の事例では、「友だち追加のインセンティブは思い切りがいいものであればあるほど、お客様に響く」というコメントが紹介されています。「どうしたら関心を持ってもらえるか」を起点に、お客さまの気持ちを動かすインセンティブを検討しましょう。【その2】メッセージ配信やリッチメニューの効果分析と改善1. 配信したメッセージの分析と改善皆さんは、過去に配信したメッセージの効果を検証していますか? LINE公式アカウント管理画面(Line Official Account Manager)では、上記分析画面にて配信結果を確認できます。配信結果の分析を行うことで、数値が良かったもの、悪かったものの傾向とその要因を洗い出しながら、今後、配信するメッセージの内容や打ち出し方を改善していきましょう。メッセージ配信では、一回で配信できる吹き出しは3つまでです(※あいさつメッセージのみ5つ)。この順序とコンテンツの種類をどう組み合わせるのが一番効果が良いのか、分析画面で比較検討してみください。上記画像の左側の例では、リッチビデオメッセージ>テキスト>カードタイプメッセージの順になっていますが、これはあくまでも例であり、これが王道の順序というわけではありません。一回の配信で伝えたい項目を整理し、どのように伝えれば友だちが一番理解しやすく、商品を購入したくなるかを考えてみましょう。それぞれのコンテンツの種類と違いについては「LINE公式アカウントのメッセージ配信で送れるコンテンツの種類は?」の記事で説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。ちなみに一回のメッセージ配信の順序については、下記の分析結果が出たという報告(LINEキャンパスより)があります。3つ目の配信要素とクリエイティブの見せ方に気を配ると、配信効果がよりアップするかもしれません。動画を使用した場合、最後に配信する要素は動画よりも静止画の方がCTRは高い最後のクリエイティブ内容でCTRに差が出る2. リッチメニューの分析と改善上記画像にある通り、リッチメニューは様々なレイアウトや要素の配置ができるが故に主な検証項目も5つあり、いろんな角度から効果検証をして改善を進める必要があります。改善のポイントの一つは、「リッチメニュー活用のメリットと設定のポイントとは?」の記事でも解説した通り、「キャンペーンなど期間限定の導線」と「一年中いつでも表示させたい導線」を分けることです。この整理ができているかをまずチェックしてみてください。上記の整理以外では、友だちのセグメントによって「タブを分ける」方法も検討しましょう。「タブ切替や出し分けなど、こだわりのリッチメニューを設定するには?」で取り上げた自動車メーカー「アウディ」の、「ご検討中の皆様」「オーナーの皆様」のような情報整理です。自動車や不動産など検討期間が長くなりがちな商材を扱う場合は、セグメントに合わせた導線設計が重要です。なお、リッチメニューのタブを分ける機能はLINE公式アカウント管理画面にはないので、Messaging APIを使った開発をするか、「TSUNAGARU」などのLINE運用ツールを利用する必要があります。さらに高度な設定として、セグメントや店舗によって表示するリッチメニューを出し分ける方法もあります。セグメントによってリッチメニューを出し分けるというのは、さきほどの「タブを分ける」でもあった「ご検討中の皆様」と「オーナーの皆様」で表示するリッチメニューを完全に分けるということです。これにより、すでにオーナーの友だちに、購入検討中の友だちに見せる内容を排除することができ、より効率的な情報伝達が可能です。複数のECサイトを抱える企業でのリッチメニュー出し分け方法(TSUNAGARUでの設定方法)については、「店舗毎に違うリッチメニューを出し分けるには?」の記事をご覧ください。アンケートを活用して、回答結果によってリッチメニュー切り替える方法を解説しています。【その3】他社の活用事例を参考に!LINEヤフー for Businessに掲載されているLINE公式アカウントの活用事例は、実際に運用で効果を上げた事例が紹介されていろり、非常に参考になります。ECサイトに関連した事例を紹介しましょう。LINE公式アカウントはメルマガの上位互換――売り上げ5倍を実現したEC企業の活用術有限会社味源「特にユーザーの反応が良いのが、カルーセル形式で複数の情報を配信できる『カードタイプメッセージ』を用いた配信です。カードに掲載する情報は、絶対にタップしてもらいたい情報を1枚目に配置するというように、並べる順番も模索しています。試行錯誤を重ねた結果、リッチメッセージと比較して、クリック率は2倍、メッセージ経由の売り上げは3倍以上を記録しました」LINE公式アカウントを活用して売り上げアップ!ユーザーへの購入促進方法株式会社デジタルガレージ(ohora)運用の工夫を重ねた結果、LINE公式アカウント経由の売り上げは、導入当初と比較して3倍まで増加しました。クーポンの利用に関しても、LINE公式アカウントで配信する友だち限定クーポンの使用率は、メールマガジンで配信するクーポンに比べて20〜30倍の効果を得ることができています。客単価や売り上げアップに貢献!澤井珈琲に聞く、ECモールにおけるLINE公式アカウント活用株式会社澤井珈琲「よく使う機能は、複数の商品をまとめて紹介できるカードタイプメッセージです。短い文言で分かりやすく商品特徴やユーザーメリットを伝えることを意識していて、横文字は基本的に使いません。例えば、『Now on Sale! 50%off』というよりも、『今だけ半額!』のほうが、一瞬で伝わります。また、価格帯を分けたクーポンを配布するなど、お客さまが買わない理由をつくらないようにして客単価を上げる工夫をしています。コロナ禍の影響を受けて始めた取り組みですが、客単価が400~500円ほど増加しました。EC売り上げの約3割がLINE経由!LINE公式アカウントを軸にしたSABONのマーケティング戦略とは株式会社SABON Japan「メッセージ配信した日のオンライン接客経由の売り上げは、平時と比べて約3倍に跳ね上がります。商品だけでなく、配信内容やコンテンツについての質問もオンライン接客で受け付けており、興味・関心から購買へとつなげるコミュニケーションの場となっています。いまではLINE公式アカウント経由の売り上げの約50%が、リッチメニューからの流入によるものです」いろんな事例を見ていくと、上記事例のように「最近はカードタイプメッセージの効果がいいようだな」など、見えてくることがあります。他社で成功したやり方を真似してもうまく行く保証はありませんが、自社でやっていない方法論であれば、一度試してみる価値はあります。リッチメニューの複数タブ表示や出し分けのところでも紹介しましたが、よりメッセージやリッチメニューの配信効果を上げたいと考えている皆さんには、ぜひLINE公式アカウント運用ツール「TSUNAGARU」の導入をお薦めします。こちらから使い方の役に立つ資料をダウンロードできます。